レビューを読むな、写真を探せ

愛は写真に現れる。

僕がモノを探すとき「良いモノかも」と考える判断材料の1つに写真がある。

商業的な写真ではなく、いち消費者である誰かによって綺麗に写真に収めていると、それは良いモノかもしれないというわけだ。

探し方は簡単だ。

Googleで「モノの名前」を画像検索するか、Instagramで「#モノの名前」で検索するだけ。

しいてコツを挙げるなら、なるべく正式名称を調べることくらいだろう。

検索結果に現れる写真の中に、もし心惹かれるものがあれば、その画像が掲載されているサイト、またはアカウントを見てほしい。そのサイトやアカウントが個人のものなら、その写真はアタリだ。

わざわざカメラやスマホを取りだし、試行錯誤して綺麗な写真に収め、だれかにシェアしたくなるほど「お気に入り」のモノ。心惹かれる写真にはきっとそんなストーリーがあるはずだ。

そして、それだけ誰かに愛されるポテンシャルがあるモノなら、きっと良いモノだと僕は思っている。また、何人もの人が思い思いにそのモノを写真に収めているのなら、その可能性は尚更高い。

レビューを書くという行為は、脳内で良いと思った感覚を、考えに整理し言語化するプロセスを経る。他方で写真は良いと思った感覚を、感覚のまま写真に焼き付けられる。(写真のスキルの違いこそあれど)

良いと思う感覚を揺さぶる強さこそが、写真が持つ惹きつける力の強さ、そして、そのモノの良さなのだと思う。

デジタル史上、最もライカらしいライカ『Leica M10(Typ 3656)』

大事なのは、機能ではなくライカであること。

ライカは新型のレンジファインダー式デジタルカメラ『Leica M10(Typ 3656)』を発表した。

スペック的には、2,400万画素CMOSのフルサイズセンサーに、新型画像処理エンジン「LEICA MAESTRO II」を搭載。秒間最大5枚の連射が可能となり、感度の最大値が50000まで向上、Mシリーズでは初のWi-Fi機能も搭載されている。価格は850,000円(税別)、2月発売予定だ。

ただ、今回のLeica M10で特筆すべきは性能や、新たな機能追加ではない。最大の特徴は「最もライカらしい」デジタルカメラであることだからだ。

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最もライカらしい「かたち」

ライカファンにとって「かたち」はライカを構成する要素の中でかなり大事なものだ(と僕は思っている)。そして、フィルムから使い続ける人にとって今のデジタルライカに抱える大きな不満はその「かたち」特にサイズ感にある。

非ライカファンにとってはM型ライカはすべて同じに見えるが、歴史を重ねるごとにライカは着実に大きくなっている。高さ、厚みとも僅か数ミリではあるものの、手にすれば体感できるほどだ。

そして、この変化はフィルムからデジタルに移行して加速した。センサーと背面液晶を内蔵する関係で仕方ない部分もあったと思われるが、フィルム時代は38mmだった厚みが、現行のM(typ 240)では42mmと、4mmも厚くなっている。この差は思いの外大きい。

それが今回のM10で、38.5mmとフィルム時代に肉薄するレベルに薄型化され、デジタルライカ史上、最も本来の「ライカらしい」形に戻ったのだ。

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また、トップカバー左側のダイヤルにも注目したい。このダイヤルはM10で新設された感度操作ダイヤルだ。フィルム時代のライカではこの位置にフィルム巻き上げレバーが配置されていたが、デジタル化とともに取り除かれていた。それが再び、しかもM3に近しい形状で復活したのだ。

スペック面だけを見れば、大した機能追加もない焼き直しモデルにも見える。しかし薄型化も、トップカバーのダイヤルも、フィルム時代から愛用し続けるライカファンにとっては「そう、それだよ」という変化だろう。

おそらくライカはそれでいいのだ。

最新スペックや新機能を乗せた便利なカメラではなく、「ライカである」ことこそがライカが持つ最大の価値なのだから。

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source / image : Leica

新品こそが正義という考え方への違和感

中古で『EOS 5D mark』を買った。

Canonの4年前に発売されたカメラだ。先月4年ぶりに後継機が発売されたが、個人的にあまり惹かれる追加機能がなかったため、型落ちの中古を買うことにした。

僕が買った個体は、店頭に並んでいた中古品のなかでもボロい悪い方だった。発売日に購入され4年間がっつり使い込まれたのではと思わせるほど。各所に傷や塗装剥げが目立っていた。

状態が良いもの含め何台が選択肢があるなか、僕がこの個体を選んだのは、「シャッターユニット」という部品が新品交換されていたから。

シャッターユニットは交換すると6万円近くかかる消耗品だ。(15万ショットが耐用回数)店頭には同じ値段で、シャッターユニットの交換されてないが外観のきれいな個体もあった。しかしショット数のわからないまま購入して、10万ショットの個体を引いてしまうと、なかなかツラい。

型落ちとはいえ、3年程度は使う予定。であれば消耗パーツが交換され、追加コストがかかる可能性が少ない方がいいと考え、今回この個体を選んだ。

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手垢にまみれた中古品は売れない


カメラを見ながら、店員さんと話していると、「外観がボロいとなかなか売れない」という話になった。たとえ中身が新品でも、外装がボロいとなかなか売れないらしい。しばらく売れないと外装を交換する場合もあるという。

もちろんカメラには種類はある。道具として使われる「機材」的なものから、趣味性の高いもの。飾られるような「趣向品」までさまざまだ。ただ、種類を問わず外観の程度は売れやすさに響くらしい。

極端な話「人の手垢がついたものは敬遠される」といったところだ。

確かに、このカメラもボロボロだ。シャッター部分や電源レバーは使いすぎて剥げてるし、軍幹部も底板も擦り傷が目立つ。

恐らく、毎日のように持ち運び撮影していたのだろう。使い込まれた末にシャッターは耐用回数を超え、後継機種の登場もあって買い換えられた。それを引き取った中古カメラ店がシャッターユニットを交換し、販売。僕に引き取られたと
いうところだろうか。

こういったモノの持つストーリーは、単なる「手垢」なのだろうか。

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「新品」を信仰する人がいる

少し話は変わるが、「新築は家はぼったくり」という有名な話がある。新築の家は鍵を引き渡し、ドアを変えた瞬間に価格が2割落ちるのだ。

理由は2つある。1つは、新築販売における広告宣伝費などのコストが上乗せされ販売されているから。もう1つは、「新しい」という価値があるからだ。

多くの人にとって「新品」「未使用」は価値だ。僕自身、新品の価値には納得する一方、莫大なお金を払う程の価値かと問われると首を縦に振れないケースも多い。

個人的に一番違和感を感じるのが、家電の展示処分品だ。

大手家電量販店のアウトレットなどを見ると、展示処分品が数多販売されている。そして大体の場合、世の中の新品価格よりは安く、中古価格より高い価格設定になっている。

よくよく考えて欲しい。展示品は中古品より状態がいいだろうか?

小売店に勤めた経験のある方なら分かると思うが、展示品は雑に扱われる。傷はもちろん、落下跡、打撃跡も珍しくない。そして、商品として想定される使われ方ではないため、展示中に壊れるものも数多ある。

ディスプレイは焼き付く。カメラは耐用数をゆうに超えたショット数。パソコンのキーボードはヘタる。どれも一般的な話だ。

これが家具ならまだいい。外観の傷だけで済むからだ。家電は駆動部があるため、故障リスクが高くなる。展示品なら保証が効く場合もあるが、大体の家電の場合消耗パーツは対象外だ。カメラのシャッターユニットはまさにそこにあたる。

展示品として酷使されたものが、中古品より高いのは明らかにおかしい。それでも「一応新品」にお金を払うのは何故だろう。

 

知らない隣人への恐怖 = 誰かの手垢への嫌悪

「新しいものへの固執」は何故起こるのか。

原因は「知らない誰かへの恐怖」にあると僕は考えている。この話を考えていたときの思い出したのが、コミュニティの話だ。ご近所SNS『マチマチ』を運営する六人部さんという方が、以前こんな話をしていた。

[mk_blockquote style=”line-style” font_family=”none” text_size=”12″ align=”left”]マンションの場合ですと、顔見知りだとトラブルが少ないそうなんです。子供の声がうるさくてクレームになっていたものも、知っている人なら「〇〇さんの子供はまだ小さいからね」となるそうです。コミュニティの力って大事だなと改めて感じました。[/mk_blockquote]

2016年、地域コミュニティはオンラインで活性化する? 地域の課題を解決するSNS『マチマチ』

端的にいうと、「知らない誰か」には冷たいが、「知っているあの人」になると優しくなる。という話である。

中古品もこの感覚に近く、「知らない誰か」が使ったことに対する「恐怖的な何か」があるのではないだろうかと僕は考えている。傷だらけのカメラを使っていたのが仲の良いカメラマンだったら、果たしてそこまで嫌悪感を感じるのだろうか。

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モノが持つストーリーを想像する


無論、この話はあくまで一視点にすぎない。ほかにも故障率、どう使われたかわからないリスクなど…、中古品を敬遠する理由はいくらでもある。ただ、他の理由にくらべ、この理由は非常に感覚的だ。

だからこそ、僕の中で違和感が強いのだと思う。

僕はそもそもモノが持つストーリーが好きだ。「カメラマンが毎日のように使い込んだ」「奥さんに隠れて一生懸命貯金してやっと買ったカメラだった」「画質に憧れて買ったけど、重くて使わなくなった」など。

人がモノを売る理由はいくらでもある。だからこそ、どんな人と、どんな生活を共にし、どんな写真を撮ってきたのだろうと僕は想像する。

それ自体が楽しいし、僕が中古品を買う理由の一つでもある。同じように、モノが持つストーリーを楽しめる人が増えて欲しい。そう勝手に思ったので、こんな記事を書いた。

フィルム再び。販売終了から5年、Kodak『EKTACHROME』が復活

単純な懐古ではなく、フィルムは「さまざまな制約下で集中して撮影する」という新たな価値を提供するフェーズに来ているらしい。

米写真用品大手のKodak(コダック)は、ラスベガスで開催されたCES2017にて、2012年に販売終了した写真用リバーサルフィルム『EKTACHROME(エクタクローム)』を2017年第4四半期から再度販売することを発表した。

Kodak Brings Back a Classic with EKTACHROME Film | CES 2017 Press Release | Kodak

リバーサルフィルムとは、多くの人がイメージする色が反転したフィルム「ネガ」ではなく、見たままの色が写る「ポジ」フィルムのこと。フィルム全盛期の頃はプロユーザー御用達だったが、デジタルカメラの普及と共にその需要は低迷、2012年販売終了となった。

それがここ数年、フィルム人気の再燃と共に需要が増加。再度販売に踏み切ったと言われている。

とはいえ、個人的にはフィルムユーザーが激増しているかというと少々疑問もある。Kodakだけでなく、FUJIFILMなども含めたフィルムメーカー各社は年々ラインナップを縮小し、値上げを重ねている。多少の需要増加はあるのかもしれないが、復活最大の理由は値段を上げても買う人がいるかららではないだろうか。

本来高価なリバーサルフィルムだが、販売終了時点のEKTACHROMEの価格は、値上げを重ねた今のネガフィルム(PORTRAなど)とさほど遜色ない。であればEKTACHROMEを再び販売しても(製造コストが上がっていないのであれば)損することはないだろう。ネガフィルムよりもより高く売れるのだから。

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僕自身、「しっかりと写真を撮る用」にフルマニュアルのフィルムカメラを手元に1台置いている。わざわざお金をかけて不便を楽しむ贅沢と思いつつ、フィルムでしかできない体験があるのは事実だ。

img by Kodak Facebook

「モノより体験を買う時代」に反抗したい

ある調査では、ミレニアル世代( 1980年-2004年頃生まれの若い人々)の多くは、モノより体験にお金を使いたいと考えているという。

[mk_blockquote style=”line-style” font_family=”none” text_size=”12″ align=”left”]ミレニアル世代の78%のがモノよりも経験にお金を使いたい

http://blog.btrax.com/jp/2015/11/16/millenials-z/
[/mk_blockquote]

「モノより思い出」なんて言葉が使われるようになってずいぶんと経つ。物質的なモノには僕たちは満足しており、これからは体験にお金を使う。使うべきというわけだ。

人によっては、モノにお金をつぎ込むことを旧時代的と揶揄することすらあるだろう。

モノは本当に人を幸せにしないのか。

僕はこれを否定したい。

モノを買うことは、「長期的な体験を買っている」と僕は思っているからだ。

例えば、座り心地のいいおしゃれな椅子を買ったとする。椅子に座り「リラックスできる」と思うことや、椅子があることで「部屋の雰囲気が明るくなった」と思うことは幸せな体験ではないだろうか。しかも、その体験はモノが存在しつづける限り、長期的に感じることができるはずだ。

ただ、「椅子に座る」という行為や、「部屋の雰囲気」のような日常的なものは無意識で記憶に残るわけではない。モノを通した体験は、「自分がこのモノによってどんな体験を享受できたか」を意識しなければ感じられない。

極端な話、忙しすぎて会社と家を往復しているだけの日常では気づけないけれど、時間のある朝にコーヒーを淹れてくつろぐ瞬間にこそ気づけるものだと思う。

欲しかったモノは、手にすれば当たり前になる。その当たり前を大事すれば、「モノを通した体験」は得られると僕は考えている。

この想いから、僕はブログメディア『Betters』を立ち上げました。モノの紹介を通し、どのような「体験」を手にできるか。単なる消費行動ではなく、「長期的な体験を買っているんだよ」と胸をはって言ってほしい。

『Betters』を通し、そんなモノとの出会いを増やしていければと思う。

image by PEXELS

エンジニア『ネジザウルス』

ねじ穴が潰れたネジや、錆びて回らないネジを回す最強の工具『ネジザウルス』。

見た目はただのペンチですが、刃先に縦方向の溝を入れるなど独自の加工を施すことで、ドライバーでは回せなくなってしまったネジを回せるこの工具。DIY界隈で多くのファンを持つ所ジョージ氏がオススメしたこともあり、1万個売れればヒット作と呼ばれる工具市場で、13年で250万個売れた超ヒット作となっています。

最近、棚を作ろうとしてねじ山を潰したことをきっかけに『ネジザウルス』を購入。驚くほど楽にネジが取れます。ペンチで3時間かけても取れなかったネジが、ネジザウルスなら3分でするっと抜ける。便利ツールと呼ばれるものは多種多様存在しますが、ここまで便利かつニッチなグッズはなかなかないかも知れません。

価格も2000円程度と安価。DIYをする人は是非工具箱に加えることをオススメします。

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source : ENGINEER

MapCamera『BLACK TAG TYPE 130 ver3 Multi』

MapCameraのカメラストラップ『BLACK TAG TYPE 130 Ver3 Milti』。

カメラは両釣り前提でストラップホールが用意されていますが、GRのように片釣りの方が以外とクイックにカメラに手をかけられます。また、BLACKRAPIDのように釣り環で吊るされていれば、ストラップ自体をぐるぐる回さなくてもカメラをすぐに撮影ポジションに持ってこれる。この2つを実現したのが『BLACK TAG TYPE 130 Ver3 Milti』なのです。

また、カメラが複数台あると、防湿庫やカバンのなかでストラップが場所を取ります。簡単に複数のカメラとストラップを切り替えられるのも、このストラップの良いところの1つ。取り回し、収納面共に考えられたストラップ。正直質感はそこまでよくないものの、道具として考えれば高い利便線を担保した最適解でしょう。

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source : Map Camera

B&O PLAY 『BeoPlay H8』

B&O PLAYによるワイヤレスノイズキャンセリングヘッドフォン『BeoPlay H8』。

Bang & Olfsenのカジュアルラインとして登場したB&O Play。本家の高いデザイン性やピュアオーディオでの知見活かし、ポータブルやホームオーディオなど、音楽をよりカジュアルに楽しむプロダクトを展開しています。

H8はBluetoothによるワイヤレス機能と、アクティブノイズキャンセリング機能を備え、高い利便性を実現したフラッグシップモデル。本家譲りのデザイン性と、革や金属を用いた高い質感。そして、同価格帯のヘッドフォンでは実現できないハイクオリティなサウンドに仕上げられています。

側圧もちょうどよく、長時間付けていても苦にならない装着感。全方位に抜かりのないあたり、さすがといった感じです。

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source / image : B&O PLAY

NT 黒刃30°『BD-2000』

NTの『黒刃30°Spare Brade BD-2000』。

通常のカッター刃は刃先の傾斜が60°なのに対し、これは30°と鋭角。そして、通常の刃(白刃)よりも切断面をより鋭利に研磨し、青色酸化被膜を施して錆びにくく強化したものがこの『黒刃』です。切れ味が良く、30°と鋭角のため細かい作業に適しています。

白刃と比べるとあまりにも切れ味が違うため、一度黒刃を使うと戻れなくなるほど。またカッターとは加工方法が異なりますが、ハサミも切れ味のいい黒刃が売っているので、私はハサミも黒刃に入れ替えしました。

ただ、黒刃は普通の文具店ではあまり販売されておらず。私の場合は世界堂など大型文具店に行ったときに、100枚入のBD-2000をまとめ買いするようにしています。

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source : NT

PFU『Happy Hacking Keyboard BT』

PFUのbluetoothキーボード『Happy Hacking Keyboard BT』。

発売から20年を迎えるハイエンドキーボード『Happy Hacking Keyboard(以下・HHKB)』のbluetooth版として、今年5月に発売された本機。3万円近くする高級品だからこそ、プロモーションではなく、口コミを通して多くのファンを獲得し今日にいたっています。

20年という歴史のなかで、”固定配列”、”打ちやすさ”、”コンパクトさ”というPFUが考えるキーボードに大事な3要素を頑なに守り続けているからこそ、多くのファンに評価されているのでしょう。当初はプログラマー中心だったユーザー層も、いまでは一般層も含めたPCを使って仕事をする多くの人々に変化してきています。

ユーザーが増えニーズが多様化するからこそ、大事にする要素を守り続けることは製品の価値を維持し続けるために必要なことです。

私自身仕事で取材をさせていただくまでは、この高いキーボードがなぜ人気なのかと疑っていたものの、取材後即購入。いまではHHKBの有無が原稿作成のモチベーションを左右する程度に愛用しています。

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source : PFU